株式について

簿記とも関係がある話ですが、今回、日本航空が大量の公募増資を行いました。
その事について書いてみたいと思います。

マイミクさんがJALの株を保有されていて、今回の大量増資の被害を受けられたわけですが、今回の増資についてちょっとだけ調べてみました。

今回、オーバアロットメント(追加売り出し)を含め、7億5千万株の増資(新株発行)をします。現発行株式数である約20億株に対して、4割近くの大量の株を発行するという事です。なかなかにドラスティックな増資ですね。

増資の目的について、名目上では「新航空機の購入に充当」となっていますが、
思惑はそれだけでは無いようです。

2004年発行のCB(転換社債)の繰上げ償還日(2007年3月)に対応するためのいわば「借り替え」的な増資ですね。
自転車操業になってきていると思います。
転換社債なので、転換株価の440円を超えれば株式に転換され、負債も減ったのですが、CB発行後、一度も440円を超えていません。
この財務体制では超えるのは厳しいでしょうね。
その為、投資家(社債権者)が恐らく来年3月以降に償還要求をしてくるものと会社も考えているのでしょう。何せまったく株式に転換されていない社債を1,000億円も抱えているんですから・・・大変な事です。

表向きには航空機の買い替えという事ですが、その場合でも、古い航空機の除却が行われるはずで、大量の除却損が特別損失として計上されると思います。

また、航空機を購入したとして、減価償却方法が定率法(決算短針によるとその可能性も高いと思います)となる場合、購入後しばらくは売上原価(販官費)が多くなるはずです。
今ですら原価の内1300億円を占める減価償却費に更に新航空機の償却が上乗せされると思う事から、財務・収益性共に危険であると思います。

金利面でも日銀が、今月一気に0.5%までの利上げを断行するとするならば、1兆2000億円ある有利子負債に対する利払いも単純に考えて60億円増えることになり、ヤバイ事この上ないです。

株式市場では、金曜は随分売りが強く、逆日歩も発生するでしょうが、それが踏み上げられ、万が一上げるような兆候があれば、私も迷わず空売りして儲けたいと思います。

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